「研修医によるポートフォリオ発表会~地域のみなさまにささえられ~」
2005年10月15日
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- コーディネーター:鈴木敏恵氏(未来教育デザイナー、一級建築士、千葉大学講師、島根民医連医師研修アドバイザー)
森 敬良@出雲家庭医療学センターです。
10月15日に「研修医によるポートフォリオ発表会」を出雲市民病院研修委員会主催で開催しました。当日は職員はもとより、他県の臨床研修の責任者をされ ている先生や研修医、県の医療対策課、地域のみなさま、島根大学や岡山大学の学生さんなど多くの人に参加していただきました。
鈴木敏恵 先生のガイダンスのあと「医療現場でのポートフォリオ活用について」と題して島根県立中央病院の看護師さんから発表がありました。心筋梗塞で入院になった 患者さんにライフポートフォリオを活用しているとのことでしたが、はじめは医療者も患者さんも「続くかな?」と疑心暗鬼だったそうです。しかしその患者さ んは、退院後の外来で看護師を見つけるとまっ先にポートフォリオを取り出し、日頃の生活について話し始められたそうです。「患者には自分でよくなる力があ り、それをポートフォリオが助ける」。看護師さんたちの率直な感想でした。
その後、研修医から半年間をふりかえってのプレゼンテーションがありました。
「患者さんに真実を伝えるということ(高井)」
「糖尿病教育への2つのアプローチ~行動科学と患者中心の医療技法~(高橋)」
たった8分のプレゼンでしたが、二人の研修している姿を思い出し、熱くなりながら聞かせてもらいました。会場からのA4用紙フィードバック(プレゼンを聞いて感じたことを一言で書いて見せるというもの)も人それぞれでとても興味深かったです。
あっという間の2時間でした。(メーリング・リストより)
出雲市民病院の高橋賢史です。
当日は鳥取大の学生さんも来られていました。
私のポートフォリオ発表では、糖尿病教育・行動変容の成功例を紹介しました。入院後の対応や、退院前に1時間の面接をし、本人の不安が自信に変わったことなどから、糖尿病教育への提案として次の6つを挙げました。
① 本人が具体的目標を決定
② 医師が本人の不安を把握
③ 日常生活のリズムの中で工夫
④ 2週間に1度の「ご褒美デー」の提案
⑤ 意志はゆらぐものとする前提
⑥ 辛い時に素直に伝えれる信頼関係
そして、この半年間で学んだ価値観として次の5つ
① 医療における「曖昧さ」と原則的さ。
② 認識の共有 落とし所を探る。
③ 信頼関係構築と関係強化。
④ 患者様を通じて知識を得るのではなく、患者様の問題解決のために必要な事を学んでアプローチしていく。
⑤ 「縁ってあるのかもしれないですね~。」
を挙げ、患者様が描かれた絵の写真を出しましたところ、「縁」にたくさんの参加者の方から共感が寄せられました。そして最後に、これら一連やってきたことは、振り返ると患者中心の医療技法に沿っていたんだと気づいたことを述べました。
今回の発表を用意するにあたり、研修を始める前には到底出来なかったことが、いろいろ出来るようになっており、自分自身の成長を感じれる半年間を振り返り ました。知識・技術も当然身についてきていますが(4月の時点では静脈採血1本に大汗をかいていました)、それ以上に医師としての価値観・行動が身につい てきていると思い、自信につながっています。いわゆるプロフェッショナリズムでしょうか?(メーリング・リストより)
出雲市民病院1年目研修医の高井悠子です。
10月15日「研修医によるポートフォリオ発表会」が行われました。
鈴木敏恵先生はじめ準備、運営等に関わってくださいました皆様、本当にありがとうございました。
まず鈴木先生がガイダンスをしてくださいました。
とてもエネルギッシュな講義で、元気をいただきました。
その後、県立中央病院の看護師さんより「医療現場でのポートフォリオ活用について」の発表がありました。
患 者さん自身にライフポートフォリオを作ってもらう方法で、病院で渡される検査値や病状説明の用紙、薬の説明文書などを入れていくんですが、患者さんが気に なった新聞記事(肥満についての記事など)を自分で切り抜いて入れたり、自分の食事や生活を記録したり、目標を書き出したりされるようになったそうです。
後で、発表をした看護師さんたちに「すごいですね」と声をかけましたら、「すごいのは患者さんです。私たちは患者さんのポートフォリオを見せてもらって励ましたり感心していただけですから・・」と嬉しそうに言われていたのが印象深かったです。
きっと看護師さんたちが喜んでくれるのも患者さんにとって大きな励みになっただろうなと感じました。
その後研修医2人の発表がありました。
私は「患者さんに真実を伝えるということ」というテーマで発表を致しました。
ICや告知において悩んだ経験から感じ学んだことを発表しました。
内容はもっと深められたのではないかと思いますし、拙い発表でしたが、自分なりに半年間の研修を「振り返り」できたことが非常によい経験になりました。
参加者のみなさんに書いていただいた一言コメントは本当に嬉しく、宝物となりました。
研修医高橋先生の発表は「糖尿病教育への2つのアプローチ~行動科学と患者中心の医療技法~」でした。
常に患者さんとじっくりと誠実に向き合っている先生が、行動科学を用いながら、患者中心の医療を実践してきたことを実感を持って聞かせていただきました。
また、いつも以上に熱がこもったプレゼンテーションで、会場のみなさんも引き込まれていました。
ああ素晴らしい同期を持ったなあ・・・と改めて思いました。
この企画を終えて、患者さん、病院のスタッフの皆さん、地域のみなさまに暖かく育てていただいていることを改めて、ありがたいことだと感じています。
みなさま、今後ともなにとぞご指導の程よろしくお願い申し上げます。(メーリング・リストより)
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